とーさまから聞いた話。
とーさまもとーさまのとーさまから聞いたって言ってた。

世界樹は、人びとの欲を吸って生きるって。
だから、あんなに大きいんだって。

だれも天辺を見たことはないし、
同じようにだれも根っこの先を見たこともない。

そしてそれはこれからも変わらないって。

そっかあ…って思った。
そのときは世界樹ってなんだろう、見てみたいな…くらいの気持ちだった。

でも、どうせ見るなら誰かと一緒がいいなって思ったんだ。
けれど、なぜかその「誰か」がどうしても思い浮かばなかったんだ。
どうしても。

とーさま?
だめだめ。絶対心配して全部お付きの人にやらせるんだから。
うち人少ないのに。

かーさまはなんか危なっかしくて見てらんない。

んー。

ほらね。

何が「ほらね。」なんだか分からないけれど。

友達、欲しいな。
それが私の欲かもしれない。

私空飛べないし、泳げないし、歌はへったくそだし、
何もできないけど、いつか友達と一緒に世界樹の迷宮を歩きたいって思ったんだ。

とーさまはすごく怒って私を止めたけど、それが嬉しかった。

せっかくの跡継ぎを死なせるようなことしたくないって分かってるけど、
友達の一人もいない人がどうして王様できるの?って聞いたら
そんなものどこでだってできるってとーさまは言ったね。

違うんだってば。

私のなりたい王様はそういうこと言わないと思うよ。





モンク:プリンセス、がんも。

プリ:ふぬ?

頭ごと視線を下に落とすと、取り皿にはがんもが一つ転がっていた。

モンク:げんきない。

プリ:ううん、大丈夫。

モンク:なら、がんも。

言い終わらないうちにがんもはモンクの口に入り、胃袋へ直行した。


プリ:…こーーーらーーー!!

モンク:もぐ?

プリ:もぐ?じゃないわよ!!今私は物思いにふけってたの!たまにはそんなこともあるわよ!!がんも?好きよ!好き!むしろ好き!私好き嫌いないもん!でもイカの塩辛はだめ!イカをピンクにする必要性を全くと言っていいほど感じないわ!あの色はなんなの!?あんなことしなくてもイカは美味しいのよ!!そんな私からがんもを奪うなんて狂気の沙汰よ!人権侵害!!がんも外交よ!!

モンク:げんき、でた。

プリ:ぐ…。

くつくつ、と笑いながらモンクは鍋からもう一つ、
あっつあつのがんもをプリンセスの取り皿に放り込んだ。

プリ:…ありがと…。

モンク:もぐ。

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